マツダはDell PowerScaleを導入し、モデルベース開発・CAD・アーカイブ用途の統合ストレージ基盤を構築。ストレージ総容量を約4PBから約10PBへ拡大し、容量単価を従来比約10分の1に低減。将来的にはAI・生成AI向けデータレイクとしての活用も視野に入れる。
デル・テクノロジーズは2026年5月20日、マツダが「Dell PowerScale」ストレージを導入し、モデルベース開発やCAD、アーカイブ用途向けの統合ストレージ基盤を構築したと発表した。新基盤の導入によりマツダは大量データの統合一元管理を実現し、ストレージの容量単価を従来比で約10分の1に低減(マツダの社内テストに基づく)したという。
マツダでは、数式・物理モデルを基盤としたモデルベース開発を約30年にわたり推進してきた。しかし近年は、実験計測データや制御システムデータの増加に伴い、データ管理の負荷が課題となっていた。先進運転支援システムの高度化などを背景に、設計開発データは年間数百TB規模で増加しており、従来の「ストレージ+テープ装置」による運用ではデータ読み出しに時間を要するなど、管理の煩雑化が進んでいた。CAD用ストレージでも、運用プロセスの老朽化やコストの高止まりが課題となっていた。
こうした課題に対しマツダは、大容量が求められるモデルベース開発用ストレージと、高性能が必要なCAD用ストレージを単一のスケールアウトNASで統合できる点を評価し、Dell PowerScaleを採用した。容量と性能を段階的に拡張できることに加え、ストレージ統合によるコスト削減効果も採用理由となった。
2025年12月から全面稼働した新基盤では、メインストレージに「Dell PowerScale A3000L」、バックアップ用途に「Dell PowerScale A300L」を導入した。ノード追加によって容量と性能を柔軟に拡張できる構成とし、運用監視ツール「InsightIQ」やスナップショット機能「SnapshotIQ」も採用している。
新基盤へのデータ完全移行により、ストレージ総容量は従来の約4PBから約10PB(約2.5倍)へ拡大した。これに伴いテープメディアへのデータ退避が不要になったほか、容量不足や性能低下に関する問い合わせ対応が減少し、運用管理工数の削減にもつながったとしている。また、筐体間レプリケーションツール「SyncIQ」を用いたバックアップ対策も実装し、設計開発データの保護体制を強化した。
さらにマツダは、この基盤をAI・生成AI向けデータレイクとして展開することも視野に入れている。データをDell PowerScaleに集約したことで、蓄積データを用いた分析や新たな知見の創出につなげたい考えだ。
